駐在員の妻、略して“駐妻”もしくは”駐在妻”という言葉に皆さんはどういった印象を持たれますか?
華やか、楽しそう、海外で大変そう、暇そう、、、
人によって持たれる印象が違うと思います。
私自身は自分が台湾で駐妻を経験するまでは、どちらかというと華やかで羨ましいと感じておりました。
しかし、いざ自分が経験するとその印象がガラリと変わりました。
そもそも人間関係がなく生活自体が地味!!!
私が駐在した場所が台南という地方都市のためか、日本人が少なく、いわゆる奥様会、日本人会などがありませんでした。しかも、管理人は子供も居ないので、そういった繋がりもできません。加えて、台南は治安が良いため、数少ない駐妻仲間(今までで累計4人)はソロ活動する人か、子育てに忙しく頻繁に遊びに行けない人ばかりでした。たまに集まって息抜きする位の距離感です。
管理人は、基本的にリモートワーカー志望だったので、ソロ活動としては、始めの方は主に勉強をしており、途中から就職してリモートワークをしていました。外に出るのは、仕事終わりにたまにジムに行く位です。そもそも、海外に住んでいるけどほとんど外に出ない、という選択肢があることを海外に来てから気づきました。
引きこもり気質の人には、控えめに言って最高の環境ですね。
人間関係のディープなストレスもなく、勉強に専念できるし、今の時代就職はオンラインでできるし。
管理人自体は日本で仕事が上手くいかず、辞めたいと思っていた人間でして、日本で仕事をバリバリされていて、泣く泣く仕事を手放した方とは全く立場が異なります。さらに言えば、お子さんがいらしてとても忙しい方とも感じ方が大きく異なります。
旦那から台湾に行くという話を聞いたとき、正直、アイデンティティの喪失より、これでちょっと休める、ゆっくり自分のことが考えられるかもと思ったほどでした。今まで世間の顔色を伺い、流されに流された人生、元々失うほどのアイデンティティなんて無かったんだと思います。
幸い、駐妻になってオンラインで出会った仕事や会社の方がずっと好きです。
私は、駐妻期間で今まで失っていた自分のアイデンティティを取り戻せたのかもしれません。
驚くことに、来る前より、今の自分の方がずっと好きです。
つまるところ、今みたいな引きこもり+ネット生活が自分には合っていたのだと思います。
そして、駐在生活をこう感じられるのも、色々な条件が重なって、時間や心の余裕がたくさんある生活を送れているためとも思います。
当然ですが、同じ駐妻でも、滞在国の環境、本人の性格や経歴で、感じる事が全く違います。
駐妻生活から学んだことは、自分に合っている道を見つけられるのは、結局自分だけだということです。周りの方のアドバイスの中に、自分に合っているもが無ければ、自分で探してみてもよいのですね。今まで世間に流されてばかりいた自分には非常に大きな気づきでした。
そうはいっても、海外生活は想像以上にストレスフルです。もし今後駐妻になる方がいらっしゃいましたら、どうか、自分の心と時間を大切に、自分なりに緩やかな駐妻ライフをお送り下さい。
私にとっての駐妻期間は、人生を良い方向に変える素敵な時間でした。
一人でも多くの方が、幸運な駐妻ライフをお送りくださるようお祈り申し上げます。